[SET YOU FREE TOUR 2004]

 
2004.9.23  @大阪ベイサイドジェニー
  出演 サンボマスター / メガマサヒデ / ゲスト フラワーカンパニーズ / LAUGHIN'NOSE

2004.9.25  @名古屋ダイアモンドホール
  出演 サンボマスター / メガマサヒデ / ゲスト ガガガSP / YO-KING


2004.10.3  @CLUB CITTA'川崎
 
出演 サンボマスター / メガマサヒデ / ゲスト LAUGHIN'NOSE / SA


今回のSET YOU FREEツアーは、今年のライブの中でも特に印象に残ったツア−でした。
特にこの日が印象に残っているというわけではなく、このツアー全体が熱狂的で
興奮度の高いものでした。大阪では、メガ君が最初の出番だったんだけど、このメガ君のライブが
イベントの、この日一日のテンションと流れを決定づけた。
もうとにかくテンションが高い。マイクの前に立つ前からメガ君はイキリ立っている。冷静さというのが
まるでない。上品さというものがまるでない。そして、大阪のお客さんが熱狂的にメガ君を迎える。
まだ唄ってないっつーのに何なんだこの雰囲気は。
メガ君のライブは凄まじかった。とにかく熱狂的なんだ。メガ君の興奮が見ているこっちにまで伝わってきて、
いてもたってもいられなくなる。メガ君がマイクを使わないで唄うときが、ときたまあるが、
ここ大阪では見事に会場全体が大合唱だった。一人きりでこんな世界をつくってしまうメガ君は
天才だと思った。僕はこの日、メガ君がしゃべっていたことを鮮明に憶えている。

「僕はピエロなんです。情けなくて、弱くて、毛深くてみんなにバカにされていたような僕が、
歌がうまいわけでもギターがうまいわけでもなく、ステージに上がることができて、言いたい放題言って、
やりたい放題やって、それでも僕はみんなが、なんか楽しいな、とか、面白いな、とか思ってくれるだけで
やりがいがあると思っているんです。暗いニュースがあったり、悲しい事件があったりするけど、僕は
みんなの笑顔が見れるような、そんなライブをしていきたいと思っているんです。そのためだったら、
僕はピエロにだってなるし、裸になって唄うことだって出来るし、何だってやれるんです」。

・・・・・いやぁ、もう僕は何も言うことなかったです。このメガ君のライブの後はもうどのバンドも
テンションが高くて素晴らしかった。
フラワーカンパニーズも、LAUGHIN'NOSEもホントに素晴らしかった。
僕らのライブといえば、興奮のあまりチン君がギターを床にたたきつけ、バキッーとギターが折れて
しまった。この日のライブはホントに興奮したよ。口ではなんとも言い難いけれど、体中にアドレナリンが
分泌され、もうまさしく恍惚!!の数10分間だった。
大阪のライブの最後はサンボマスター。サンボマスターのライブも凄まじかった。
ライブ中、ギターヴォーカルの山口さんが、今日出演した全てのバンドへの思い入れと、
SET YOU FREEに対する思い入れ、今日という一日がどれだけ素晴らしいかを語ったうえで、
「僕は、メガマサヒデになりたい。僕はフラワーカンパニーズになりたい。僕は、LAUGHIN'NOSEに、
銀杏BOYZになりたい。僕は周りのみんなに心の底から憧れる。そして、自分はいつも一体何をやっているんだと
情けなくなる。僕たちの音楽をイイと思ってCDを買ってくれる人達がいて、僕らは会社から給料をもらい、
日々生活している。でも本当の僕らっていうのは本当に小さくて、情けなくて、弱くて、いつまでも
自分に自信の持てない人間なんです。それでも、それでも僕達の音楽を求めてくれる人達が
いるわけです。だから僕はうれしくてしょうがないんです。あなた方がいる限り、
僕はずっと唄っていきますよ」。ジャーン!!(ギターをかき鳴らす音)

・・・・僕はこの言葉を聞いて、恥ずかしながら涙が止まらなかった。自分の力で何かをやり始め、
それを続けていく人の喜びと悲しみをサンボマスターは持っている、スゲェ人達と出会ったなぁと思った。
そして、僕も素晴らしい一日だったと心から実感した。

一日空いて、次は名古屋。今回のSET YOU FREEツアーは銀杏BOYZ、サンボマスター、メガマサヒデが
メインでいて、各地にゲストバンドが参加するという形態だったのだが、名古屋のゲストバンドは、
ガガガSPとYO-KING。ガガガSPと共演するのは久しぶりで、ライブでは笑っちゃうくらいのテンションの
高さだった。そして、YO-KINGは演奏にサンボマスターを迎えてのライブで、これがも〜ヤバかった。
1曲目の「人間はもう終わりだ!」から、6曲目の「素晴らしきこの世界」までホントにもうノッリノリの
YO-KING。もちろん「審美銃」も演奏した。何だろう、あのYO-KINGの持つ攻撃性と、大らかな空気は。
観ていて心が豊かになる。僕らの世代にはないあの感覚。YO-KINGの次が、そして、この日の最後の
出番が銀杏BOYZだったのだけど、もう、YO-KINGがつくったこの空気の中で
ライブが出来ることが嬉しかった。

ツアー最終日はCLUB CITTA'川崎にて。ゲストはLAUGHIN'NOSEとSA。SAは男気溢れるド迫力のライブだった。
LAUGHIN'NOSEもすげえかっこよかった。曲の途中でベースが折れるっていうちょっとありえないことが
あったんだけど、ポンさんはそれでも「こんなの関係ねえぜ!」って鼻で笑い飛ばしていた。
POPでキャッチーで、それでいてトゲトゲしい。SAもLAUGHIN'NOSEも僕らよりもずっとずっと先輩なんだけど、
ステージの上のこの人達はホントに若い。輝いている。僕は、パンクとかロックとか関係なく、
キラキラしているこの人達が大好きだ。
この日の最後の出番はメガ君だったんだけど、それまでのバンドサウンドはガラッと変わって、
たった一人きりの弾き語りの雰囲気に一瞬どうなることかと思ったけれど、メガ君はやってくれました。
いつもなら、殺気立った雰囲気で始めるメガ君は、緊張感のある静けさの中で
じっくりと歌を聴かせることに専念し、
まるでショッキングな内容の北野たけしの映画のエンディングで流れる音楽のように、しんみりと
やさしくこの一日をまとめてくれました(メガ君の表情の豊かさに驚かされた!!)。
そして、アンコールは峯田氏とサンボの山口氏とメガ氏の3人での弾き語り演奏!!とっても
濃い3人の演奏は、私、ホント感激しました(途中、弾き語りにも関わらず峯田氏とメガ氏は
演奏を放棄し、内から出てくる衝動のあまり全裸で暴れていたことに対して敬意)。
さらにさらに、最後は企画者のチバさんと、バンザイ三唱。10代のモサ〜イ男女も、革ジャンに
髪をツンツンにたてたアンちゃんもみな一緒になって、「バンザーイ!!バンザーイ!!バンザーイ!!!!」
と声高らかに張り上げ、会場はこれまでにない一体感に包まれました。この「バンザーイ」っていうのは
解放感があっていい!!世界中のどの国にも持ってない解放感がこの響きにはある(笑)!!
で、最後に三本締めをしてこのイベントを終えました。いやいや、こんな素晴らしいイベント
見たことないっすよチバさん!!
本当に最高のツアーでした。



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