「銀杏BOYZ 世界ツアー 2005」村井によるライブレポート

★ あれ、英語話せるようになっちゃった@横須賀かぼちゃ屋
guest/LAUGHIN'NOSE/FUJIROCK(仮)
2005/04/20

たまげたね。いや～たまげた。

2時間くらい電車に揺られて京急汐入駅で降りて、小雨ん中をトボトボ一人歩いて久しぶりのかぼちゃ屋へ向かい、ドブ板通りにさしかかろうとしたその瞬間、ヤツと目があった。小学生高学年と思われるイエロー×コバルトブルーのボーダーシャツを着た眉毛の濃いジミー・パーシー似の少年と。ヤツは道の隅の側溝に堂々とウンチしていたのだ。不意に訪れた決定的瞬間。みんなならどんな顔して彼を見つめる？笑っちゃう話だけど、実際は全然笑えない。超シュールなんだ。彼も僕の目をじっと見つめてる。お互い涙目だ。ここに来るまでよっぽど我慢して、我慢しきれずにここで解放したんだろう。米国の軍人が向こうの通りを歩いてる。実際は2秒しか立ち止まらなかったけど1時間はそこにいたかのように感じた。目線を外す瞬間に僕は軽くうなずいた。
心配すんな。僕はあんたのことは知らないが、あんたのことが大好きだ。

今日はなんだかいつもと違う一日だとは薄々感じてましたが、いつになく狂い乱れた危険な夜でした。かぼちゃ屋は大好きなライブハウス。かっけ-んだもの雰囲気が。店内赤で統一してるんだ。設備だってライブハウスって言えたもんじゃないホントのライブハウス。ガレージの中を真っ赤に塗りつぶしてバーも作って…、頑張れば作れんじゃないかって思う。

始まる前から店内には約150人の人がギュウギュウのパッツンパッツンでもう暑いし、まだなんにも始まっちゃぁいないのに殺気だってる。始めにFUJIROCK(仮)。久石譲氏の曲が流れ、メンバーが静かに登場。音を出した瞬間に全員壊れる。途中ギターの音が出なくなるがそんなのおかまいなしにダンスし続ける。踊り狂ってる。ここはもうFUJIROCK(仮)のダンスフロアだ。誰も止められない。BUZZCOCKSのリズムもFUJIROCK(仮)のリズムもぎこちないけどノリノリで踊れるダンスミュージックだ。カッコイイ。「I DON'T MIND」「NEAT NEAT NEAT」等々耳にしたことがある曲名が続き、ギャース、ギャースカと爆発力のあるステージに圧倒された。翻弄され、体中がざわめきまくっていると、いつのまにか静かな、ゆったりした優しいメロディの曲を演奏しだした。ほんとに股間が熱くなった。「夜の焼ける音」っていうんだって。鳥肌がたった。あっという間にライブは終わってしまったけれど、なんかうまく言葉には出来ないものがゴウゴウと音をたてて熱々と胸にのこった。

次はLAUGHIN'NOSE。ギャオ～ス!!目ん玉飛び出しそうな顔でチャーミーさんが唄う。あの時のLAUGHIN'NOSEのライブも小雨が降っていた。あの日はヒックリ帰った。指定席なのに左隣にいたはずの峯田はSET YOU FREEのチバさんと前の席の上に立って、肩組ながら「GET THE GLORY」を会場に来てる全員と大声で熱唱してた。右隣でおとなしく観てたアビちゃんは涙目だし……。17年前のことなんて僕はちっとも知らない。けど、今ここにいれて良かったって、そう思えた2004年の10月30日の夜だった。

その人達が今、目の前で目ん玉飛び出しそうな顔で演奏している。この会場はステージなんてものはないし、だから同じ目の高さで観ることが出来るわけで、あ～、なんてかけがえのない空間だ。LAUGHIN'NOSEが始まってから会場の温度は一気にあがり、天井から水滴がボタボタ落ちて床には水たまりが出来て、雨降ってるけど外に出た方が濡れね-んじゃねえか、くらいのものすんごく湿度の高い空間になってた。

銀杏BOYZのライブではライブ中、実際に峯田は外に出ちまった。

お客さんも峯田の後を追い表にでる。小雨が降り、一般の通行人がいる中で「日本発狂」を客と大合唱。かぼちゃ屋前にあるお地蔵さん脇の塀によじ昇り大合唱。雨にうたれて天を仰ぎながら、ガャオース!!「アナタは、この国を、この時代を、愛してますかー!!!!」

この日は悪夢みたいなライブだった。何回でも見たくなるような素敵な悪夢。演奏は途中二回中断した。一回目はお客さんが将棋倒しになって。二回目は酸素が足りなすぎて。普段あんまり酸素足りねえなぁなんて思うことないのにこの日はライブがはじまった途端に酸素不足。

ステージもなけりゃ柵だってない。僕の20センチ先に峯田がいて50センチ先にはアナタ達がいる。みんながそれぞれ想い想いに唄っている。今日はみんながヴォーカルだった。皆でビションビションになってクチョンクチョンになって。お地蔵さん脇にあるかぼちゃ屋というライブハウス。店内が真っ赤にペイントされた小さな小さな小屋で、僕は全員と交わえた気がした。

人間の体から出る水蒸気でありえないほどに水浸しになった店内。さっきまでみんなが僕らを囲んで揺れていた。ツアー最終公演!!みたいな空間だった。否、最終公演にして欲しかった(切)。
ライブが終わった後は台風で小屋がやられちゃったみたいになってて、なんか笑えた。

帰りもやっぱり降ってた。表に出ると薄暗い街灯が雨の中怪しく街を照らし、街をふらつく若者たちに混じって米軍の軍人さんも深夜徘徊。

静かな街だなぁ。

前売りチケットを発売する前日の夜も雨が降ってたって、夜通し並んでチケットを買った人達が言ってた。冷たい雨に始まって冷たい雨に終わり、遅くまでやってるお風呂屋さんでチン君と風呂に浸かり、明け方の帰り道、本当に夢のような信じられない夜だったことを実感した。

今日は横須賀かぼちゃ屋の皆さん、LAUGHIN'NOSEの皆さん、FUJIROCK(仮)の皆さん、そして今日来てくれた皆さん、本当にどうもありがとうございました!!!!

P.S.骨にひびが入り、広島公演から抜けていた石川五右衛門将太の寿司が復活しましたっ!!嬉しくて一緒に湯船に浸かったよ、もう(涙)!!石川ちんこちっちぇーぞぉ(涙)!!!!

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